「別荘の庭にはどんな木を植えれば良いのだろう」
「隣の土地との境界線として垣根とか必要なの・・・」
「シンボルツリーは何にすれば良いのかな?」
などと,「別荘の植栽について」あなたは悩んでいませんか?
そこで,この記事では,全くの素人で,実際に「わがまま別荘」を建設したサラリーマンである “わが坊” が,体験談に基づいて,“まま子” と一緒に,「別荘の植栽」について解説します。
本記事を最後まで読めば「別荘の植栽として何が最適なのか」が容易に理解できます。

どんな木を植えれば良いのかしら?



造園業者任せではなく,自分で選んで育てるのも楽しみだよ。
- 別荘地の植栽とは
- 植物の選定
- わがまま別荘の実際 何を植えたか
別荘地の植栽とは





そもそも別荘地は自然が多いから,植栽なんて不要じゃないの?



建物と調和した植栽は,別荘を引き立てるためにも必要なんだ。
別荘における植栽の意義
別荘は大自然の中にあるのだから,別荘地に植栽(植物を植えること)なんて必要ないと思っていませんか? ただそうとも言えない事情があるのです。購入したり借りたりする別荘地は,山林や原野が多いので,周りには自然がたくさんあることは確かです。しかし,別荘地では建物を建てるために重機が入るので,かなり広い範囲で樹木や笹竹を伐採することになります。工務店にとって樹木は工事の邪魔になるので,そうとう大目に伐採します。つまり,工事が終われば,別荘周辺の植物は根こそぎないなどということが良く起こります。そこで,別荘が建った時の見晴らしや庭のデザインを考えて,必用な樹木は多少工事の邪魔になっても残してもらったり,逆にロケーションのために不要な樹木は思い切って伐採してもらうなどの交渉をすると良いでしょう。何も言わないと,あの木は残しておきたかったのに切られてしまったなんてことがあり得ます。このように,一般的に建設後の建物の回りには,植物がほとんどない状態ですので,しっかりと植栽を行う必要があるのです。
別荘の建設時に,庭の造園も依頼すると別途費用がかかりますが,工務店はシンボルツリー1本とその周りの簡単な植栽程度は建設費内でやってくれることがあります。しかし,シンボルツリーの周りに芝を植えるとなると数万円はかかるので,追加料金が生じる場合があるかもしれません。また,シンボルツリー以外の周辺以外の土地は,重機が入ったため地肌が露出していますが,これはオプションで工務店か造園業者に別途頼むしかありません。もちろん費用が生じます。そこで,建物以外の広大な土地をどうするか,建物だけではなく,別荘を建てるときには,庭をトータルで考えておく必要があるのです。
別荘は,建物だけを楽しむものではありません。自分がデザインした素敵な別荘を更に引き立てる環境としての植栽があってこそ,別荘建築が更に映えるのです。庭の植栽は,建物がすべて完成してから行いますが,建物だけが目立っていては格好が悪いので,次の項で述べるように,植栽と建物との調和がとれるように,植栽を行うことが必要です。
建物と植栽との調和
北海道などで,真っ白い樹皮を持つシラカンバ(シラカバ:白樺)に囲まれた,赤い三角屋根の小さな小屋などは,映画のワンシーンのような,大変素晴らしい景観で,絵として様(サマ)になりますよね。そこまで演出しなくても,せっかく自分の別荘を建てるのであれば,少しでも自慢できる,様になる絵を演出したいと思いませんか? そこで重要なのが建物と植栽との調和です。「調和」なんていうと,難しく思えるかもしれませんが,要するに,ミスマッチしていなければ大丈夫ということです。
洋風な趣(おもむ)きの別荘で,クリスマスツリーのようなブンゲンストウヒ(ドイツトウヒ)に囲まれているのに,玄関先にマツや竹,スギゴケのグランドカバーがあっては,せっかくの雰囲気が台無しです。洋風の建物なら洋風の植栽,和風の建物なら和風の植栽が必要ということです。
また,落葉樹は春の新緑,秋には紅葉と,葉の色合いを楽しめますが,冬になると葉が落葉するので,丸坊主になり寂しい感じがします。この点,常緑樹は一年中,緑の葉をつけているので,冬には目を楽しませてくれます。このように,落葉樹と常緑樹は,バランスをもって植栽を行うと,一年中,緑の移り変わりを楽しむことが可能になります。
それからもう一つ大切なことは,大木になる可能性がある樹木には気を付けるということです。住宅地では,成長が早い樹木を植えると,数年で10m以上になって,道路や隣家の敷地にはみ出したりして,迷惑をかけることがあります。あとから伐採することになっても面倒です。特に,ケヤキ,カツラなどは,葉が小ぶりで柔らかく優しく,樹形も美しく,日本人にはなじみ深く好まれる樹木ですが,とても大きくなる木なので,別荘では不向きと言えるでしょう。大きく成長すると,外観だけではなく,根が地中深く張るので,建物にも影響を与えることがあります。更にいうと,建物に雨樋いを付けている場合は,落葉樹の落ち葉が雨樋いを詰まらせることがあるので,屋根より高くなる木は,注意が必要です。
面白い植栽としては,北海道のシラカンバ林をイメージして,例えばシラカンバを数本購入して,等間隔に横一並びではなく,距離をおいて斜めに植えて,遠近感を出してみると一味違った庭になるのではないでしょうか。また,隣の別荘地との境には,シラカシの幼木を一列に植えてみるのも良いでしょう。シラカシは目隠しにもなり,根が真下に伸びるので,30㎝とか,50㎝とか間隔を取ることによって成長をコントロールすることができます。高さ1.5m程度の生垣を安価に作ることもできます。こうして少しずつ樹木を植えていくのも楽しみの一つになります。
植物の選定





具体的に,オススメの植物は何かしら?



まずは落葉樹と広葉樹,次にグランドカバーを考えることだね。
落葉樹と常緑樹
落葉樹は,春先に新緑が芽吹き,夏には大きな日陰を作り,秋には紅葉を楽しむことができる樹木です。別荘地の自然の中で最も季節を感じることのできるので,リビングやテラス・デッキからよく見える場所に植樹します。夏のテラスに日陰をつくるような配置を考える必要がありますが,種類によっては大木となり,数年後には邪魔になるなどということのないように,樹木の成長進度や最終的な樹形,高さを考えて植えると良いでしょう。
ヤマザクラ,ヤマボウシ,ハナミズキ,イロハモミジ,ムサシノケヤキ,などが良いとされます。先に紹介したシラカンバですが,シラカンバは寒冷な気候を好むので,本州の低い標高の別荘地ではうまく生育できないことがあります。そこで,裏技として暖地性のシラカンバの品種であるジャクモンティを植えるという方法があります。ジャクモンティは,シラカンバより幹の色が白く,大変美しい木です。北海道や信州の高原らしくてとても良いです。
しかし,落葉樹は冬にはすべて落葉してしまうので,常緑樹がないと庭がさみしくなってしまいます。そこで,夏の西日対策,また冬期の建物への風雪の影響も考えて,常緑樹をバランス良く配置するのが良いです。
落葉樹 | ハナミズキ | 洋風の別荘には合う。園芸種が沢山あるので,好きな花の色を選ぶ。成長は遅い。 |
ケヤキ | 里山の樹木。葉が優しい。大木となるので,自宅などの戸建では無理。ムサシノケヤキという矮性もある。 | |
イロハモミジ | 和風の別荘に合うが,紅葉するので,洋風の別荘でも,アクセントとしてあると良い。 | |
ヤマザクラ | 園芸種(ソメイソシノなど)は虫がつくし,別荘地にはふさわしくないので,地味な山桜が良い。 | |
ヤマボウシ | 白い花と赤い実をつけ,楽しめる樹木。やや乾燥と西日に弱い。 | |
シラカンバ | 木肌が白く,見ていて美しい。高原のイメージに合う。成長が早い。カミキリに注意。 | |
ナナカマド | 北海道の街路樹で有名だが,紅葉と赤い実が素晴らしい。別荘地など高原であれば植栽可。 |




常緑樹では文字通り,冬でも緑の葉が茂っている樹木で,アセビ,シラカシ,アラカシ,ネズミモチ,ウツギ,ツツジ,またスギやマツ,トウヒ類のような針葉樹があります。冬でも落葉せずに,緑色の葉をつけているので,樹木としての存在感があります。日本(本州以南)では,古くよりスギが全国的に植林されているので,山林の常緑樹というとスギのイメージが強いですが,クスノキ,タブノキ,ヤマモモ,クロガネモチなど,針葉樹以外の常緑樹もあるので,是非,別荘地には常緑樹をたくさん植えてみて下さい。冬の間,目を楽しませてくれます。特に,ヤマモモの雌株(めかぶ)には食べられる赤い実が付くので,ジャム作りができたり,野鳥の餌になったりと楽しみが増えます(下の右写真はイチイの実)。
常緑樹 | シマトネリコ | 戸建住宅のシンボルツリーの定番。もともとは暖地の植物。常緑樹なので,冬でも寂しくない。 |
ソヨゴ | これも植栽の定番。葉がソヨソヨと優しくそよぐ。雌株を選ぶと赤い実がなり,鳥が集まる。 | |
イチイ | 高原(寒冷地)で常緑樹の大半はマツ,スギ等の針葉樹になるが,イチイは赤い実がなる。 | |
シラカシ | 耐寒性があり,昔から生垣などにも利用された馴染みのある木。ドングリも楽しめる。 | |
トウヒ類 | 洋風の別荘では,クリスマスツリーのようなブンゲンストウヒ(ドイツトウヒ)をよく見かける。 |


ブンゲンストウヒ


イチイ
グランドカバー
グランドカバーとは,簡単に言うと地面を覆う植物のことです。芝生をイメージすればわかりやすいでしょう。別荘はずっと滞在するわけではないので,しばらくぶりに行ってみると,雑草が生い茂って,草ぼうぼうということが良くあります。ヘタをすると,せっかくの別荘での癒しの時間が,草取り作業の時間に費やされてしまうこと成りかねません。これでは困りますよね。そこで,樹木の下の地面も,グランドカバーと言われる植物を植栽しておくことがおススメです。
グランドカバーとしては,芝類の他に,低木,コケ類,シダ類,つる性の植物,タマリュウなどのユリ科植物などが挙げられます。高原などの別荘地では,ある程度の湿度があるので,ドクダミなどの雑草が地面を一気に埋め尽くすことがあります。また,別荘地内にタケやササ類が侵入してくることもあります。建物が建って早い時期に,グランドカバーもしっかりとしておくことが,雑草対策として大切ですね。
芝類 | バーミューダグラス,高麗芝 |
低木類 | ツツジ,オタフクナンテン |
コケ類 | スギゴケ |
シダ類 | タマシダ |
つる性植物 | ヘデラヘリックス |
ユリ科植物 | リュウノヒゲ,タマリュウ,ギボウシ |
多年草 | クローバー,ユキノシタ |


へデラヘリックス


クローバー
わがまま別荘の実際 何を植えたか





結局,わがまま別荘では何を植えようかしら?



地元に生えている品種を,ホームセンターや通販で購入するのが良いね。
工務店の植栽
別荘の建設に庭の造園も依頼すると別途費用がかかりますが,工務店はシンボルツリー1本とその周りの植栽程度は建設費内でやってくれることがあります。しかし,シンボルツリーの周りに全て芝を植えるとなると,その造園費用の数万円分がプラスされます。そこで,わがまま別荘では,シンボルツリーの周りのグランドカバーを自分でやることにし,その費用を他に回してもらいました。
また,シンボルツリーは,戸建て住宅で一番人気のシマトネリコ(実は暖地性樹木)をお願いしましたが,結果として当該別荘地では,冬の寒冷のために枯れてしまいました(泣)。1年間は補償が利くので,寒冷地に強い「ヒメシャラ」を再度植えてもらいました。このように,シンボルツリーは,現地の環境,気候をよく考えて,慎重に選ばなくてはなりません。
植栽の計画
別荘地はある程度の面積が確保されるので,好きな樹木を植えて植栽を楽しむこともできます。テラスやデッキの前にシンボルツリーを植えたり,中庭に木を植えてライトアップしたりと,別荘ならではの植栽の楽しみができます。まずはシンボルツリーといわれる,別荘の顔となる樹木を植えることになります。
シンボルツリーが決まったら,次は,庭全体の植栽を考えていきます。ここで重要なのは,庭の設計と植栽は表裏一体になるということです。植栽は和風,洋風など,その別荘地の雰囲気と建物にマッチしたものを植えると良いでしょう。植物なので当然のことながらその土地に合うかどうかが一番のポイントとなりますが,せっかく自分の別荘なので,自分の好きなように植栽をコーディネートして,わがまま三昧な素敵な庭をつくりましょう。まずは様々な植物図鑑や植栽のガイドブックなどで調べて,好みの植栽を考えればよいですが,まずは常緑樹か落葉樹かを決めところから始めると良いでしょう。
また,隣の土地との境界をどうするかといった問題がありますが,別荘地は基本的に広い土地となることが多いので,きっちりと柵や塀を設けたりすることは稀です。逆に,目立つような柵や塀などを作れば,自然と一体化したせっかくの景観が台無しになります。それとなく,境界線に小さな木を植えて境界をアピールするのが最適です。しかし,別荘によっては,ペットの犬を放し飼いするために,ドッグランのように柵を設けているお宅もあるようです。特に犬などのペットについては,近隣とのトラブルにならないよう,じゅうぶんに気を付けたいものです。
一方,別荘地は大自然の中にあるので,野鳥や昆虫が沢山生息しています。実のなるような植物を植えれば,野鳥がたくさんやってきます。植栽した木に巣箱を取り付けたりすることも,別荘ならではの楽しみといえます。
わがまま別荘の植栽の様子
わがまま別荘では,ありきたりではありましたが,地元のホームセンターの園芸コーナーで販売していたヤマザクラ,ツツジ,アカガシ,シラカシ,クリ,カエデなどを購入しました。地元で販売しているものであれば,たいていは気候,気温などの環境に慣れているので大丈夫と思いますが,通販などで外地から購入するとなると,当該別荘地の気候や土壌に合うかどうかなどを慎重に検討して購入します。最近では,大型の園芸店や植木屋さんが少なくなり,樹木の苗も通販で購入することが多くなってきました。種類も数も豊富で,たいていの欲しい種類は販売されているので,便利に利用できますが,実物をその場で見て購入できないのが難点ですね。
また,グランドカバーとしては,芝のバーミューダグラス(ティフトン419),セントオーガスチングラス(シェードⅡ),タマリュウなどを購入しました。


シンボルツリー


シラカシ
まとめ
別荘を引き立てるおススメ植栽のポイントで,まず考えるべき3つのことは,以下の3点です。
・別荘の植栽の意義
・植栽の選定
・わがまま別荘の実際 何を植えたか
この中でも特に重要なのが,「植栽の選定」です。
その選定に基づいて,わがまま別荘では,何を植えたのか?
わが坊が出した答は,「別荘地の地元に自生している植物を植えること」です。当たり前ですが,植物も生物です。その土地の気候,土壌,水分条件などの環境の中で生育しています。その植物にとって,最も適した環境で育つことがベストです。そう考えると,まず,別荘地の環境を知ることから考えなければなりません。特に,別荘地は標高が高いことが多いので,夏と冬との温度差が極めて大きくなります。春から秋は大丈夫でも,冬の寒さで枯れてしまう植物があることに注意が必要ですね。
こうした観点さえ,しっかりと理解しておけば,別荘地内の庭の植栽は自由に設計ができます。何といっても,「自分の別荘」を所持するということ自体が別荘ライフの醍醐味であり,自分名義の別荘で,自分の好きなように思いっきりわがままな別荘ライフを満喫する,そこに意義を見出すのが「わがままで快適な別荘ライフ」です。素敵な建物に似合う,素敵な植栽をして,わがままで最高な別荘ライフを実現したいですね。週末など頻繁に別荘に行けるのなら,植栽だけでなく,家庭菜園を楽しむのも良いです。皆さんも素敵な別荘ライフを始めてみませんか。
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